2020年07月25日
最近の関心ごと |エスクロー制度②
山口市の不動産屋「ひらど事務所」へお越しいただきありがとうございます。
前回触れた「地面師」が狙うのは、主に代金決済から登記完了までのタイムラグです。
通常、所有権移転登記申請期間中に不備を指摘された場合、関係者は補正に協力します。
しかしながら、地面師の場合、当然にそれに応じることはありません。
応じるどころか、代金を持ったまま雲隠れし、連絡もつかないことでしょう。
つまり、現行の取引制度では、悪事が発覚するまでに数日間のタイムラグが生じてしまうのです。
数年前の大型地面師事件は、本人確認書類等の偽造と権利証紛失時の手続きを悪用し、このタイムラグを利用した大がかりな事件でした。
ここで、昔の地面師の手法を…
現在、登記情報はコンピューター化され、全国各地の登記情報をネットやどこの法務局でも入手することができます。
しかし、平成半ば頃までは、管轄する法務局以外では登記情報(登記簿謄本など)を取得することができませんでした。
ただし、その当時は「閲覧」という制度がありました。
これを申請すると、「◎◎市○○町▲▲番~ △△番」のファイルを丸ごと一冊閲覧することができました。
例えば853番を申請すると、「800番~950番」の登記簿の分厚いファイルを渡され、近隣地番も含めその全部の内容を閲覧することも可能でした。
なお、これに綴じられているのは、すべて登記簿の原本です。
窓口で登記簿謄本を請求した場合、これを複写したものに法務局長印が押され発行されていました。
当時の地面師は、この閲覧制度を悪用していたそうです。
つまり、閲覧中に真の登記簿と持参した偽造の登記簿とを差替え、それを一旦返却し、その後差替えた不動産の登記簿謄本を申請取得して、偽造のものに真の法務局長印がある登記簿謄本を悪事に利用していたそうです。
当時の登記簿を思い出すと、時代によっては独特の紙質と解読難解な手書き文字やタイプ文字までも模造復元した手の込んだ偽造品だったはずで、受付けた法務局職員さんも見抜けなかったのでしょうね。
そして、やはり当時も発覚までのタイムラグを利用していたものでした。
個人的には、コンピューター化されて地面師も無くなるものと思っていました…
またまた続きます。
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